地域支援

地域自殺実態プロファイル

地域自殺対策を進めるうえでは、まず地域の自殺実態を分析・把握することが不可欠

地域によって自殺の原因や背景、自殺者の特徴的な属性は異なります。市町村単位で効果的な自殺対策を推進していくためには、自治体の自殺対策担当者が地域の自殺の実態を正しく理解し、計画策定に反映させることが求められます。しかし、日常の業務に忙しい職員が地域の自殺の実態を詳細に分析する余裕はなかなかないのが実情です。

いのち支える自殺対策推進センターが地域の自殺実態をまとめた「地域自殺実態プロファイル」を全自治体に提供

2017年(平成29年)に閣議決定された新たな自殺総合対策大綱には、「国は、自殺総合対策推進センターにおいて、全ての都道府県及び市町村それぞれの自殺の実態を分析した自殺実態プロファイルを作成し、地方公共団体の地域自殺対策計画の策定を支援する。」とあります。いのち支える自殺対策推進センター(以下、JSCP)が事業を継承した自殺総合対策推進センターでは、2017年より毎年、「地域自殺実態プロファイル」を作成し、すべての都道府県・政令指定都市、市町村に提供してきました(地域自殺実態プロファイルは、一般には公開していません)。2020年からは、JSCPがその業務を引き継いでいます。「地域自殺実態プロファイル」には以下の情報が含まれています。まずはこの基礎資料を十分に読みこなしていただくことで地域自殺対策施策の立案と評価に役立てていただくことが重要です。

  • 地域の自殺者の特徴
  • 属性(男女、年齢、同居人の有無、雇用状況、自殺未遂歴など)別の自殺者数
  • 学生・生徒等の自殺者数
  • 自殺の手段別の自殺者数
  • 地域の事業所数、従業者数
  • 住民の悩みやストレスの状況、こころの状態 など

「地域自殺実態プロファイル」は既に多くの都道府県、市町村に活用されています

2018年に自殺総合対策推進センターが実施した調査では、地域自殺対策計画を策定した市町村の約9割が「地域自殺実態プロファイルを利用した」と回答しています。JSCPでは、都道府県、市町村の自殺対策担当者などのご意見も参考にしながら、より使いやすい地域自殺実態プロファイルの作成に引き続き努めてまいります。