研修・会議
【開催レポート】令和7年度第1回「全国自殺対策主管課長等会議・全国児童福祉主管課長会議・地域自殺対策推進センター連絡会議」
2025年8月 4日
JSCPは2025年7月1日、こども家庭庁、厚生労働省、文部科学省と連携し、全国の都道府県・政令指定都市の自殺対策主管課と地域自殺対策推進センター担当者のほか、児童福祉主管課職員や教育委員会などの学校関係者等を対象に、令和7年度第1回「全国自殺対策主管課長等会議・全国児童福祉主管課長会議・地域自殺対策推進センター連絡会議」をオンラインで開催しました。本会議は、こども・若者の自殺対策の推進をテーマに開催され、当日は各都道府県・政令指定都市から、あわせて約300人が参加しました(登壇者の肩書きは開催当時のものです)。

会議の冒頭、JSCP代表理事の清水康之が、今年6月11日に公布された「自殺対策基本法の一部を改正する法律」(令和7年法律第64号)について、改正の背景やポイント、今後の課題を説明。清水は、改正自殺対策基本法を踏まえ、地方自治体がこどもの自殺対策に関する様々な事業・支援策の連動性を高めパッケージ化した取り組みを推進するとともに、そのための体制・枠組みの整備が円滑になされるよう、JSCPとしても関係各省庁と連携して対応していくと述べました。
続いて、こども家庭庁支援局総務課長で自殺対策室長の山下護氏が登壇し、小中高生の自殺者数が過去最多の水準で推移する中、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき関係省庁等とも連携しながら自殺対策の推進に取り組んでいることを説明。こどもの自殺の背景に関する分析として、令和6年度「こどもの自殺の多角的な要因分析に関する調査研究」の結果について紹介しました。また、同庁成育局母子保健課長の木庭愛氏は、こどもの自殺対策に資する事業として、「こどもの心の診療ネットワーク事業」の概要を説明したうえ、積極的な活用を呼びかけました。


次に、厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室室長補佐の冨原博氏が、こどもや若者における自殺の実態を踏まえた対策の一つとして国交付金事業である「こども・若者の自殺危機対応チーム事業」の活用促進について説明。さらに文部科学省初等中等教育局児童生徒課いじめ・自殺等対策専門官の井熊一穂氏は、「SOS の出し方に関する教育」など自殺予防教育の推進や、ICT等(1人1台端末等を想定)を活用した児童生徒の悩みや困難の早期発見等について紹介しました。


最後にJSCPセンター長補佐の村松裕文が、2024年度末に、地方自治体へ向けて発出した「こども・若者の自殺危機対応チームの立ち上げ・運営に関するマニュアル」の留意点と、改正自殺対策基本法の施行に向けたJSCPの取組方針を説明しました。

説明後の質疑応答では、主に改正自殺対策基本法の規定に基づく協議会の設置に関する質問が多く寄せられ、会議終了後のアンケートにでも、「こども家庭庁でガイドラインを作成されるに当たり、各省庁との間で既存の制度とのすり合わせ等、綿密な連携を図り調整を進めていただくようお願い」「今回の法改正を受けて協議会の設置等市町からの問い合わせも受けていたので、今後の動向等に留意しながら適宜連携を図っていきたい」「(協議会の設置にあたって)どの部署が想定されるのかを示していただけるとありがたい」といった声もありました。
JSCPでは、今後も各省庁や関係者等と連携しながら、各種会議や研修会の開催等を通じて、改正自殺対策基本法の施行に向けた枠組み・体制づくりも含め、地域における自殺対策の推進を支援していきます。
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