研修・会議
【開催レポート】令和7年度 自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」
JSCPは、2025年10月18日、「令和7年度 自殺未遂者ケア研修『かかりつけ医版』」をオンラインで開催しました。 この研修は、保健医療機関での業務に従事する医師、歯科医師が対象で、全国から約130人が参加。受講者には、事前にe-learning(期間中の任意の時間)で講義とミニテストを受けてもらい、当日はワークショップを実施しました。
自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」とは?
自殺未遂は、自殺に関する最も重要なリスク因子です。そのため、患者と日常的に接するかかりつけ医等が患者の変化にいち早く気づき、必要に応じて精神科医・心療内科医と連携して適切なケアを提供することが、その後の自殺を防ぐために非常に大切になります。
研修の目的は、かかりつけ医が「地域社会からの孤立の状況等により、精神疾患が増悪するおそれがあると認められるもの又は精神科若しくは心療内科を担当する医師による療養上の指導が必要であると判断されたもの」に適切に対応するためのスキル等を習得することです。講師は、自殺対策の専門家及び自殺未遂者の包括的ケアを実践している専門家が務めます。
診療報酬「こころの連携指導料(Ⅰ)」の要件研修
本研修は、令和4年(2022年)度の診療報酬改定で新規項目となった「こころの連携指導料(Ⅰ)」の要件研修の一つとして実施するものです。修了者には「こころの連携指導料(Ⅰ)」の修了証を発行しています。
本研修のプログラム (詳細はこちら)
【事前 e-learning (講義動画視聴) ※】
|
講義1 |
大橋史織(JSCP自殺未遂者支援室長) |
|
講義2 |
河西千秋(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授) |
|
講義3 |
大塚耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授) |
※e-learningはJSCPのe-learningシステムを用いて実施し、受講者はそれぞれ期間中の任意の時間に受講しました。
【当日オンライン研修】
|
開会挨拶 |
清水康之(JSCP代表理事) |
|
講義ダイジェスト |
大橋史織(JSCP自殺未遂者支援室長) |
|
ワークショップオリエンテーション |
大塚耕太郎 |
|
ワークショップ |
司会:大塚耕太郎 河西千秋 |
|
閉会挨拶 |
清水康之 |
|
理解度確認テスト |
ワークショップは、Zoomの投票機能を活用し、出題に対してそれぞれ回答してもらい、結果を表示しながら進行しました。また、講義ダイジェスト、ワークショップを通じて受講者から質問を受付。20件を超える質問が寄せられ、時間が許す限り講師から質問に回答しました。「希死念慮のある患者について、本人の了解なしに家族や職場に連絡をすることは許されないのか?」「うつや自殺リスクの評価について、成人とこどもとでそれぞれ留意する点はあるか?」「精神科や心療内科の受診予約が取れるまでかかりつけ医はどのようなことができるか?」などの質問に対して、講師が実践的に回答しました。
今年度の自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」はこれで終了です。令和8年(2026年)度も開催予定ですので、募集開始時の案内を希望される方はこちらのメールフォームよりご登録ください。
■JSCPが主催する各種「自殺未遂者ケア研修」(一般救急版、精神科救急版、かかりつけ医版)の概要、今後の開催予定、過去の開催内容についてはこちらのページをご参照ください。






