研修・会議

「第2回 自殺報道のあり方を考える勉強会~ネット上での拡散への対応とその課題~」 を開催しました

2021年12月28日

いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)は1219日(日)、メディア関係者とプラットフォーム事業者を対象とした「第2回 自殺報道のあり方を考える勉強会~ネット上での拡散への対応とその課題~」をオンラインで開催しました。勉強会には、全国の新聞やテレビ、ネット等で報道に携わる人やニュース・プラットフォーム事業者、SNS事業者などから約60人が参加しました。(プログラムはこちら

勉強会当日の未明、両親ともに著名人である有名女性俳優が死去されたとの報道があり、自殺の可能性に言及した記事も多く見られました。その後、短時間で多数の関連報道がネット上に発信されました。

午前10時にスタートした勉強会では、まずJSCPエグゼクティブ・アドバイザーの阿部博史氏が、直前に起きた有名女性俳優の死去に関連する報道について、量と質についての分析結果を報告。マスメディアを起点とした情報が、ニュース・プラットフォームを通して拡散し、それが個人のリツイートなどによってさらに増幅していく流れを解説し、報道時の留意点などについて説明しました。

続いて、「Yahoo!ニュース」を運営するヤフー株式会社 メディア統括本部の西丸尭宏氏、「LINE NEWS」編集長の末弘良雄氏、「TikTok」を運営するTikTok Japan 公共政策マネージャーの金子陽子氏の3名から、各社の自殺報道に関する取り組みをご報告いただきました。報道により自殺者が増加する「ウェルテル効果」を防ぐため、メディア各社が記事を入稿する際のガイドラインに自殺報道に関する項目を設けていることや、センセーショナルな見出しのついた報道はトップページに掲載しないなどの取り組みなどに加え、報道が自殺を抑止する「パパゲーノ効果」を意識した記事やコンテンツを発信する取り組みなどが紹介されました。また、当日未明の有名女性俳優に関する報道について、過度な拡散を防ぐためにどう対応したかなどについても、説明がありました。

その後、ジャーナリストの古田大輔氏に論点を整理していただいた上で、「ディスカッション・質疑応答」が行われました。モデレーターを古田氏にお務めいただき、取り組み事例をご報告いただいた3名の方々に加え、阿部氏とJSCP代表理事の清水康之がパネリストとして登壇。自殺報道の拡散を防ぐための取り組みを進める上での課題や、メディアとプラットフォーマの連携の可能性などについて議論しました。

各登壇者の報告・発表内容については、後日「開催レポート」で詳しくお伝えする予定です。

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「ディスカッション・質疑応答」では、活発な議論が展開されました