研修・会議
令和2年度 自殺未遂者ケア研修「一般救急版」
2021年1月24日
高リスクの自殺未遂者の支援について、モデル症例を用いた実践的な研修会
自殺未遂者ケア研修「一般救急版」は、初期対応からアセスメントまで、救急医療現場で役立つ自殺未遂者ケアのポイントを、日本臨床救急医学会が厚生労働省と共に作成したガイドラインに沿って体系的に学んでいただくとともに、モデル症例を用いた多職種ワークショップを通じてケアのあり方を実践的に習得することを目的としています。研修の講師とファシリテーターは、自殺未遂者ケアを実践している専門家・専門職が担当しています。
日本臨床救急医学会・日本精神科救急学会との共催
本研修は、2008(平成20)年より日本臨床救急医学会の共催で開催されており、2019(令和元)年度より日本臨床救急医学会と日本精神科救急学会の共催による開催となりました。
研修内容
今年度は計39名の救急医療に従事する医師、看護師、救急救命士、精神保健福祉士、その他、地域救急医療や地域精神保健福祉に関わる方や、地域の自殺対策に関わる保健師が参加されました。
研修はZoomを利用して実施し、午前中は河西千秋先生(札幌医科大学医学部神経精神医学講座 主任教授)による「自殺未遂者支援に関する施策と医療の動向」、「自死遺族への対応と支援」、「診療報酬項目:救急患者精神科継続支援料について」、三宅康史先生(帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長・教授)による「一般救急医療における自殺未遂者等への対応」、大塚耕太郎先生(岩手医科大学神経精神科学講座 教授)による「自殺未遂者ケア・ガイドライン」と5つの講義が行われました。
午後からは、Zoomのブレイクアウトルーム機能を活用し、4人~6人のグループに分かれて症例検討のワークショップを行いました(2つの症例について、グループディスカッション)。各グループには、自殺未遂者ケアを専門とする医師、精神保健福祉士、保健師、心理師がファシリテーター(進行役)として加わり、参加者の意見を聞き出しつつ整理し、合意形成・相互理解へと導いておられました。最初の症例では、オンラインということもあり、参加者の発言が少なかったグループもみられましたが、2つめの症例の段階では、オンラインでのワークショップにも慣れ、どのグループ内でも積極的なディスカッションが交わされました。ワークショップの終盤には1つの部屋に集合し、全体での成果発表が杉本達哉先生(静岡県立静岡がんセンター腫瘍精神科 医長)および大塚耕太郎先生の進行で行われ、各グループのワークショップの成果が共有されました。
前週の精神科救急版の研修に引き続き、参加者の満足度も上々
研修参加者の事後アンケートでは、研修全体に対して「大変満足」35.8%、「満足」61.5%、「普通」2.5%との回答があり、講義および多職種ワークショップともに大変好評でした。また、Zoomによるオンライン研修についても、「移動時間の短縮と交通費の経費を浮かせることができた」「小グループでの多職種での症例検討がスムーズにできて良かった」などのご意見がありました。
次回は3月に開催
いのち支える自殺対策推進センターでは、3月に地域の保健医療関係者(自治体職員)、民間団体等関係者を対象とした地域の保健医療における「自殺未遂者ケア」オンライン研修を実施いたします。ご参加をお待ちしております。
関連新着トピック
- 2024年12月 3日
- 【開催レポート】令和6年度「第1回 生きることの包括的支援のための基礎研修」
- 2024年11月15日
- 【レポート公開】コロナ禍における自殺の動向に関する分析
- 2024年11月 5日
- 【#逃げ活 開催レポート】
学生団体YouthLINK
- 2024年10月31日
- 【開催レポート】令和6年度 地域自殺対策推進センターブロック会議