研修・会議

【開催レポート】令和7年度 自殺未遂者ケア研修「一般救急版」

2025年9月24日

JSCPは2025年8月30日、「令和7年度 自殺未遂者ケア研修『一般救急版』」を都内で開催しました(主催:JSCP、共催:日本臨床救急医学会・日本精神科救急学会)。研修は今回も事前のe-learning形式で実施。受講者は事前に講義を受けたうえ、当日に対面での多職種ワークショップに参加していただきました。
研修の対象は救急医療に従事する医師、看護師、ソーシャルワーカー、救急救命士、保健師ほか地域救急医療に関わる人。約60人が参加し、10グループに分かれて3つの具体的な症例をテーマにディスカッションしました。

_TY_4346_retouch.jpg
河西千秋氏
_TY_4962_retouch.jpg
三宅康史氏
_TY_4536_retouch.jpg
大塚耕太郎氏
_TY_0755_retouch.jpg
清水康之

 

_TY_4494_retouch.jpg
多職種のグループに分かれて座る参加者

 

自殺未遂者ケア研修「一般救急版」とは?

自殺未遂は、自殺に関する最も重要なリスク因子です。そのため、自殺未遂者が搬送される一般救急医療の現場で適切なケアを提供することが、その後の自殺を防ぐために非常に大切になります。
自殺未遂者ケア研修「一般救急版」では、初期対応から自殺のリスク・アセスメント、個々の患者のケースマネジメントまで、日本臨床救急医学会が自殺対策の専門家とともに策定したガイドラインに沿って体系的に学び、モデル症例を用いた多職種ワークショップを通じてケースマネジメントの実践的なスキルを習得することを目指しています。研修の講師と各グループのファシリテーターを担当するのは、自殺未遂者ケアを実践している専門家・専門職です。
当日は3つの具体的な症例をテーマに、参加者は見立てと介入に関するワークショップに取り組みました。研修終了後のアンケートでは、

    • e-learningで基礎を学習でき、ワークショップで他職種の意見が聞けて勉強になった。
    • 明日から行えそうな今後の対応方法の参考になった。
    • ファシリーテーションがとてもよく、あっという間の充実した時間だった。

などのコメントをいただいています。

今後もより充実した内容の研修を行うべく、関係者で議論を続けてまいります。
次回の自殺未遂者ケア研修「一般救急版」は、2026年に開催予定です。

■JSCPが主催する各種「自殺未遂者ケア研修」(一般救急版、精神科救急版、かかりつけ医版)の概要、今後の開催予定、過去の開催内容については、こちらのページをご参照ください。

■次回以降の研修のご案内を希望される場合は、自殺未遂者ケア研修案内メール登録フォームにご登録ください。次回申し込み開始時にご案内させていただきます。

本研修のプログラム(開催のご案内はこちら

 

【事前eラーニング(講義動画視聴)】

講義1 「自殺未遂者支援・ケアに関する施策と医療の動向」 河西千秋
(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)
講義2 「一般救急医療における自殺未遂者への対応~基本的な理解と多職種による支援・つなぎ~」 三宅康史
(一般社団法人臨床教育開発推進機構・理事)
講義3 「もう一つの精神科救急:自死遺族対応」 大塚耕太郎
(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)
講義4 「エビデンスに基づく自殺未遂者医療:診療報酬項目“救急患者精神科継続支援料”」 河西千秋
(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)

 

【研修当日】小グループに分かれてのワークショップ

開会挨拶 清水康之 (いのち支える自殺対策推進センター)
三宅康史 (一般社団法人日本臨床救急医学会)
河西千秋 (一般社団法人日本精神科救急学会)
講義 「エビデンスに基づく自殺未遂者医療:診療報酬項目“救急患者精神科継続支援料”」 河西千秋
(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)
講義 「自殺未遂者ケア・ガイドライン」 大塚耕太郎
(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)
質疑応答
ワークショップ 演習:「自殺未遂者に対するケースマネジメント」 司会:大塚耕太郎
(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)
三宅康史
(一般社団法人臨床教育開発推進機構・理事)
閉会挨拶 清水康之 (いのち支える自殺対策推進センター)