研修・会議

【開催レポート】令和6年度 第1回 Zoomコンシェルジュ

2025年1月 6日

JSCPは20241211日、都道府県・政令指定都市・中核市・特別区の保健所に所属し自殺対策を担当する職員を対象に、「令和6年度 第1回 Zoomコンシェルジュ~保健所における自殺対策の支援者支援について~」を開催しました。当日は120人近くの方に参加いただきました。

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自殺対策のエリアマネージャーとして、市町村支援の中核を担うのはあくまでも地域センターです。一方で、地域の状況を把握し、市町村との顔の見える関係を築いている保健所と連携することで、地域の実情や課題に応じたよりきめの細かな支援を提供することが可能になります。そこで今回のZoomコンシェルジュでは、市町村への支援体制の強化を目指し、保健所を対象に市町村への支援について意見交換をしていただく場としました。

開催に先立ち、JSCPでは、保健所における市町村に対する支援者支援にかかわる項目として、大きく「情報共有」「人材育成」「個別支援」の3つのテーマに分け、保健所において支援者支援を行う際の課題を把握するための事前アンケートを実施。当日はその結果の概要を説明した上で、各テーマに沿って意見交換しました。

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田所淳子さん(高知県安芸福祉保健所・精神保健福祉士)
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和田彩子さん(愛媛県中予保健所・保健師)
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守川由里さん(広島県東部保健所福山支所・保健師)

まず「情報共有」では市町村を対象とした保健所主催の会議の開催方法や、管内市町村における取り組み状況の把握方法などについて議論。アドバイザーとして登壇した高知県安芸福祉保健所の田所淳子さんからは、「ここから東部地域ネットワーク会議」での関係機関との連携、未遂者やデスカンファレンスなど事例検討の考え方についてご紹介いただきました。

また「人材育成」では、保健所は異動等によって経験を積めず市町村への技術支援ができにくいといった意見がありましたが、アドバイザーの愛媛県中予保健所の和田彩子さんから、保健所と市町村の相談事業のかかわり方について紹介いただき、「経験不足で技術支援の技術がなくても、市町村の担当者と一緒に考え、伴走する中で関係を深めることが大切」とアドバイスをもらいました。

最後の「個別支援」については、遺族等からの自殺に関する相談事例が少ないといった課題などが挙げられ、アドバイザーの広島県東部保健所福山支所の守川由里さんには、多機関連携による「いのち支える相談事業」の事例検討の方法や医療機関との連携について説明いただき、参加者からも多くの質問が寄せられました。事後アンケートでも「他の保健所の情報が聴けてとても参考になった」、「現場の事業に生かしたい」といった意見が寄せられています。

JSCPでは、今後も各省庁や関係者等と連携しながら、各種会議や研修会の開催等を通じて、地域における自殺対策の推進を支援していきます。