調査・研究等
革新的自殺研究推進プログラム 委託研究成果報告(令和2年度)
2021年5月17日
委託研究成果報告(令和2年度)
平成28年4月1日に施行された改正自殺対策基本法の新しい理念と趣旨に基づき、政府が推進すべき自殺対策の指針として、新たな自殺総合対策大綱(平成29年7月25日閣議決定)が策定されました。革新的自殺研究推進プログラムは、新たな自殺総合対策大綱に示された、科学的根拠に基づいた自殺総合対策を強力に推進することを目的に、必要な研究のための環境の整備を総合的かつ効果的に行うためのプログラムです。
自殺は多様かつ複合的な原因及び背景を有することから、保健医療のみならず他部門との連携のあり方を含めた学術的基盤を学際的・国際的観点から強化し、国際的動向を注視しつつ我が国の自殺総合対策をさらに推進していくことが不可欠です。本プログラムは社会における「生きることの阻害要因(自殺のリスク要因)」を減らし、「生きることの促進要因(自殺に対する保護要因)」を増やすことを通じて、社会全体の取組として自殺リスクを減らし、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す施策を達成することを目指すというわが国の自殺総合対策に貢献するためのものです。
「プログラムに関する基本方針」に基づき自殺研究のイノベーションをはかるため、次の3領域を設定し、革新的な自殺研究を推進しています。
領域1:自殺対策に関するエビデンスの確立
領域2:地方自治体の支援ツールの改善
領域3:新たな政策領域の開拓
令和2年度は6つの研究課題が公募により採択され、精力的に研究が進められました。プログラムの運営については、ガバニングボードによるプログラム推進の基本方針と運営方針の策定にもとづき、プログラムディレクターが各課題の進捗状況を把握し、研究課題推進委員会による個別課題への助言を行うという仕組みが構築されました。
採択された研究課題は、いずれも自殺総合対策大綱で示された新たな自殺総合対策の方向性を踏まえた学際的・国際的な最新の研究であり、その成果をわが国の自殺総合対策の実務に迅速に還元することを目指す意欲的なものです。
本報告書は令和2年度に実施された各研究課題の最新の成果をまとめたものです。この報告書を通じて、革新的自殺研究推進プログラムの成果を広く国民に届けることができるようにしたいと考えています。革新的自殺研究プログラムの成果をいち早く日本の自殺総合対策に反映させることができるよう、引き続きプログラムの推進に努めて参りたいと存じますので、関係者の皆様におかれましては、今後とも本プログラムへの支援をお願い申し上げます。
革新的自殺研究推進プログラム事務局
本橋 豊(いのち支える自殺対策推進センター長)
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令和2年度革新的自殺研究推進プログラム 委託研究成果報告書 全体PDF
領域1:自殺対策に関するエビデンスの確立
課題番号・研究課題名 | 研究代表者・所属機関 | 成果報告書 | ||
1-1 |
多世代共生型地域包括ケアに向けたソーシャル・キャピタル醸成プログラムの開発 |
藤原佳典 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所 社会参加と地域保健研究チーム |
PDF 成果物A 成果物B |
1-2 | DPCデータによる我が国の自殺の現状に関する研究 | 松田晋哉 | 産業医科大学 医学部公衆衛生学教室 |
領域2:地方自治体の支援ツールの改善
課題番号・研究課題名 | 研究代表者・所属機関 | 成果報告書 | ||
2-1 |
行政における統計データの利活用の推進に関する研究 |
椿 広計 | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 統計数理研究所 | |
2-2 | 妊産婦から子ども・若者に至るライフステージの総合的自殺対策に関する研究 | 藤原武男 | 国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野 |
領域3:新たな政策領域の開拓
課題番号・研究課題名 | 研究代表者・所属機関 | 成果報告書 | ||
3-1 |
ソーシャルメディアを活用した自殺対策に関する研究 |
島津明人 |
慶應義塾大学 総合政策学部 |
|
3-2 | 災害・児童虐待等のトラウマ体験を有する人の心のケア支援の充実・改善に関する研究 | 金 吉晴 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 |
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