啓発・提言等
自殺報道ガイドラインを踏まえた報道の呼びかけ(自殺の「手段」や「場所」を報じる報道について 3/28)
2022年3月28日
自殺の「手段」や「場所」を報じる報道について、注意喚起を行いました
昨日(3月27日)から、東京都渋谷区の高層ビルから男性が転落し歩行者の女性がけがをされたとの報道がなされています。また、滋賀県愛荘町にて男女4人が亡くなっているのが見つかったとの報道もなされています。このような報道は、報じ方によっては自殺念慮を抱えている人に強い影響を与え、「模倣自殺」を誘発しかねません。
ご承知の関係者の方も多いと思いますが、一昨年は11年ぶりに自殺者数が前年比で増加しました。ただこれを日次データで分析すると、7月19日と9月27日から10日間程度、自殺者数が急増していることが明らかとなっています。いずれも、著名人の自殺と自殺報道の影響が深く関わっているとみられ、自殺報道は極めて慎重にしていただく必要があります。
参考資料: JSCP主催「第1回 自殺報道のあり方を考える勉強会」実施レポート (2021年6月開催)
それを踏まえ、3月28日にJSCPは、厚生労働省と連名で、メディア各社に以下、WHO『自殺報道ガイドライン』を踏まえた報道の徹底を呼びかけました。
《自殺に用いた手段について明確に表現しないこと》(報道ガイドラインP6)
自殺リスクのある人が行為を模倣する可能性を高めてしまうため、自殺手段の詳細な説明や議論は避けなくてはならない。例えば、薬の過剰服用を伝える際には、服用した薬のブランド/薬品名、性質、服用量、飲み合わせや、どのように入手したのかを詳細に伝えることは、人々に害を及ぼす可能性がある。
《自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと》(報道ガイドラインP6)
ある場所が「自殺現場」として有名になってしまうのはよくあることである。例えば、自殺が発生した橋、高層ビル、崖、列車の駅、踏切などである。例えば、そのような場所をセンセーショナルな言葉を用いて伝えたり、その場所で起きた事件の数を過度に強調したりすることで、自殺現場としてその場所をさらに知らしめることが無いように、メディア関係者は特に注意を払わなくてはならない。
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