研修・会議
「第3回 地域における自殺未遂者支援事業研修」を開催しました
2021年11月18日
JSCPは令和3年10月28日、自治体の自殺対策担当者・関係者を対象とした「第3回 地域における自殺未遂者支援事業研修」をオンラインで開催し、約300人が参加しました。
4回シリーズの本研修は、自殺対策の重点課題でありながら全国的な広がりには至っていない地域での自殺未遂者支援の実施を後押しするため、各自治体が来年度にも自殺未遂者支援事業を開始するために必要な、ノウハウや先行事例などを共有することを目的としています。3回目の今回は、既に自殺未遂者支援事業に取り組んでいる滋賀県、大津市、大阪府、大阪市、堺市の担当者と民間団体の計6名の方から、実施している事業や取り組みについてご報告をいただきました。(式次第はこちら)
最初に滋賀県自殺対策推進センターの西田由美氏が、医療圏域ごとの自殺未遂者支援事業立ち上げの経緯、圏域ごとの取り組みが県全体としてどのような体制となっているのか等について、次いで大津市保健所の奥田由子氏が、豊富な経験に基づく個別支援の先進的な取り組みについて、報告しました。
民間団体「未遂者・家族を支える会くいしんぼカフェ」代表の石倉紘子氏は、自殺未遂者とその家族の居場所活動を行政と一緒に立ち上げた経緯や、その活動内容を紹介しました。
続いて、大阪府健康医療部の三場知香氏は、広域での自殺対策事業を実現した「オール大阪」の先進的な取り組みである警察・消防との連携について、大阪市こころの健康センターの長尾尚子氏は行政区を通じた自殺未遂者支援について、堺市こころの健康センターの片山順也氏は、日常的な個別支援における課題や支援にかける思いについて、それぞれ報告しました。
研修終了後に回収した参加者アンケートでは、「大変参考になった」と「参考になった」と回答した方が98%に上りました。また、「多くの自治体の取り組み事例からイメージが湧いてきたので、小規模自治体であるが、できそうなところから始めていきたい」、「民間の取り組みも聞けたので、今後の事業展開を具体的に考えられた」、「都道府県レベルの警察、消防、医療機関との広域的な連携の事例を知ることができた。まだ広域での事業実施体制ができていないので、これを機に取り組めたらよい」などの感想が寄せられました。
年明けの1月17日開催となる次回は、全4回シリーズの最終回です。来年度からの新規事業化を目指し、参加者にあらかじめご作成いただいた地域の実情を勘案した企画書を基に、グループに分かれて議論を深めていく予定です。
大津市の奥田由子氏
「未遂者・家族を支える会くいしんぼカフェ」の石倉紘子氏
大阪府の三場知香氏
堺市の片山順也氏
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