研修・会議

令和5年度「第1回 生きることの包括的支援のための基礎研修」開催レポート

2023年8月 4日

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研修に臨む、(写真左より)厚生労働省大臣官房参事官(自殺対策担当)の前田奈歩子氏、JSCP地域連携推進部長の小牧奈津子、JSCP代表理事の清水康之

いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)は本年7月4日(火)、令和5年度「第1回 生きることの包括的支援のための基礎研修」をオンラインで開催しました。
この研修は、都道府県・市区町村(政令指定都市含む)の自殺対策担当者・関係者が、地域において「生きることの包括的支援」としての自殺対策を推進するべく、事業企画の立案や支援技術の理解に役立てることを目的として、毎年度テーマ別で複数回にわたり開催するものです。今回は全国の市区町村や保健所等の自殺対策担当者を中心に、約950名にご参加いただきました。

自殺対策基本法では、すべての都道府県と市区町村に各地域の実情に合った「地域自殺対策計画」の策定を義務付けています。今後5年間の国の自殺対策の指針となる新たな「自殺総合対策大綱」が2022年10月に閣議決定されたことを受け、国は本年6月1日に「『地域自殺対策計画』策定・見直しの手引」(以下、「計画策定・見直しの手引」)を発出しました。今回の研修では、主に市区町村や保健所の自殺対策担当者が、今後、本手引を活用して「地域自殺対策計画」の策定や見直しを円滑に進められるよう、その手順やポイント等を説明しました。


会議の冒頭で、厚生労働省大臣官房参事官(自殺対策担当)の前田奈歩子氏が、「各自治体においては、昨年10月に閣議決定された新たな自殺総合対策大綱の内容を踏まえつつ、「『地域自殺対策計画』策定・見直しの手引」を活用しながら、地域自殺対策計画の見直しを進めていただきたい。生きることの包括的な支援として、関係部署や関係機関等としっかり連携いただきながら、地域の実情に応じた取り組みの推進をお願いしたい」と挨拶しました。

続いて、JSCP地域連携推進部長の小牧奈津子より、「計画策定・見直しの手引」を踏まえた計画の策定・見直しについて、新たな大綱を踏まえて前版から変更された点や、本手引を活用した地域自殺対策計画の策定・見直しの手順ならびに作業を進める上での留意点等について説明しました。また、前版から特段の修正や変更等はなされていないものの、計画の策定・見直しを行う際の参照事項として、評価指標の設定や事業を整理する際の枠組み等についても補足説明を行いました。


説明後の質疑応答では、現行計画に掲載されている各事業の評価の方法や、政策パッケージを活用した事業整理の進め方、他計画に包含する形で計画の策定・見直しを行う際の留意点や工夫などについて、様々な質問が寄せられました。

JSCPでは、今後も各種研修を通じて、地域における自殺対策の推進を支援していきます。