研修・会議
「第4回 生きることの包括的支援のための基礎研修」を開催しました
2022年3月 7日
JSCPは令和4年1月14日(金)、自治体の自殺対策担当者・関係者を対象とした「第4回 生きることの包括的支援のための基礎研修」をオンラインで開催し、約400人が参加しました。(次第はこちら)
令和2年に女性の自殺者数が増加するなど、コロナ禍における社会環境の変化は女性を直撃し、困難な状況に追い込まれている姿が浮かび上がります。そこで本研修は、女性を保護する入所施設での支援、アウトリーチ、居場所づくりに最前線で取り組むお二方を講師に迎え、女性の生きづらさを理解し、行政による女性を対象とした支援について考える機会とすることを目的として開催しました。
研修ではまず、進行役であるJSCP地域連携推進部の森口和が、女性における自殺の動向、女性を対象とした行政の自殺対策関連事業について説明しました。
その後、NPO法人BONDプロジェクト代表の橘ジュン氏に「若年女性を取り巻く現状~コロナ禍で孤独深める女性たち~」、婦人保護施設いずみ寮施設長の横田千代子氏に「生きづらさを抱えている女性の支援現場~婦人保護施設が担うべき使命・役割とは~」と題し、それぞれご講演いただきました。
NPO法人BONDプロジェクト代表 橘ジュン氏
婦人保護施設いずみ寮施設長 横田千代子氏
続いて、行政と民間団体が連携した女性支援について考えることをテーマとして、橘氏、横田氏による対談を行いました。橘氏は、困難な状況に置かれた女性の実態が見えにくくなっている中で、行政の相談窓口にたどり着けていない支援対象者が確実にいること、そうした支援対象者の声をどうすれば拾うことができるかという課題に真剣に向き合うことの大切さを指摘しました。
横田氏は、問題の早期発見・早期介入のため、誰もが気軽に立ち寄れる居場所を地域の中に作ること、退寮者が地域で暮らす中で孤立しないよう保健師が訪問活動を行う等、行政との具体的な連携策を提案しました。
対談の最後には、「支援対象者が『もう一度生きてみよう』と思えるためには何が必要か」という問いに対して、お二方から「回復するための支援」「人によって侵害されたものは人によって回復する」というメッセージが示されました。
次回2月28日(月)の第5回研修は、「被災から復興、平時における地域への介入と自殺対策~地域保健福祉を通じた地域づくりの可能性~」をテーマに開催します。
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