研修・会議

【開催レポート】令和6年度 自殺未遂者ケア研修「第1回 一般救急版」を対面形式で初開催

2024年5月31日

JSCPは2024518日(土)、令和6年度 自殺未遂者ケア研修「一般救急版」を都内で開催しました。本研修は、JSCPが主催し、日本臨床救急医学会と日本精神科救急学会が共催団体となっています。
JSCPが主催する本研修として初となる事前のe-learning形式を導入し、受講者には事前に講義を受けたうえで、対面での多職種ワークショップに臨んでいただきました。
対象者は救急医療に従事する医師、看護師、ソーシャルワーカー、救急救命士、保健師ほか地域救急医療や地域精神保健福祉に関わる方々で、約50名が参加しました。

Dr.kawanishi--240531.jpg
河西千秋 氏

Dr.miyake-240531.jpg
三宅康史 氏

Dr.otsuka-240531.jpg
大塚耕太郎 氏
Mt.shimizu-240531.jpg
清水康之

ippankyukyu-240531.jpg

自殺未遂者ケア研修「一般救急版」とは?

自殺未遂は、自殺に関する最も重要なリスク因子です。そのため、自殺未遂者が搬送される一般救急医療の現場で適切なケアを提供することが、その後の自殺を防ぐために非常に大切です。
自殺未遂者ケア研修「一般救急版」は、初期対応からアセスメントまで、救急医療現場で役立つ自殺未遂者ケアのポイントを、日本臨床救急医学会が自殺対策の専門家とともに策定したガイドラインに沿って体系的に学んでいただき、モデル症例を用いた多職種ワークショップを通じてケアのあり方を実践的に習得することを目的としています。研修の講師と各グループのファシリテーターは、自殺未遂者ケアを実践している専門家・専門職が担当しています。

当日は3つの具体的な症例をテーマに、参加者は見立てと介入に関するワークショップに取り組みました。研修終了後のアンケートでは、参加者から「自分以外の職種の方とのディスカッションが多く、様々な視点から話し合うことができた」、「事例検討を行って、ファシリテーターから具体的なアドバイスをしていただき、理解が深まりました。実際のソーシャルワークを行い、経験値を重ねることも重要に感じました」、「e-ラーニングで効率的に学習ができ、ディスカッションで効果的に学習ができました」等々の回答をお寄せいただきました。
今後もより充実した内容の研修を行うべく、関係者で議論をつづけてまいります。

次回の自殺未遂者ケア研修「一般救急版」は、2024年冬頃に対面形式にて開催予定です。

JSCPが主催する各種「自殺未遂者ケア研修」(一般救急版、精神科救急版、かかりつけ医版)の概要、今後の開催予定、過去の開催内容については、こちらのページをご参照ください。

■本研修のプログラムはこちら

【 事前eラーニング(講義動画視聴) 】

講義1

 「自殺未遂者支援・ケアに関する施策と医療の動向」

河西 千秋 
(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)

講義2

 「一般救急医療における自殺未遂者への対応 ~基本的な理解と多職種による支援・つなぎ~」

 三宅 康史  
(帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・教授)

講義3

 「もう一つの精神科救急:自死遺族対応」

 大塚 耕太郎
(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)

講義4

 「エビデンスに基づく自殺未遂者医療:診療報酬項目”救急患者精神科継続支援料”」

河西 千秋  
(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)

【研修当日(午後)】小グループに分かれてのワークショップ

開 会

 挨拶  
 
 <司会>
   
青木 藍
 
(いのち支える自殺対策推進センター)

 
 清水 康之  
(いのち支える自殺対策推進センター)
 
三宅 康史  
(一般社団法人日本臨床救急医学会)            
 
河西 千秋  
(一般社団法人日本精神科救急学会)

講 義

「エビデンスに基づく自殺未遂者医療:診療報酬項目”救急患者精神科継続支援料”」(講義ダイジェスト)

 河西 千秋  
(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)

講 義

「自殺未遂者ケア・ガイドライン」

 大塚 耕太郎
(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)

ワークショップ

演習:「自殺未遂者に対するケース・マネジメント」

司会:大塚 耕太郎
(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)
三宅 康史
(帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・教授)

閉会挨拶

清水 康之(JSCP代表理事)