研修・会議

【開催レポート】令和6年度 自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」

2025年3月 7日

photo-workshop-250126.jpg当日はグループに分かれてディスカッションを実施


JSCP
2025年1月26日、「令和6年度 自殺未遂者ケア研修『精神科救急版』」を都内で開催しました(主催:JSCP、共催:日本精神科救急学会・日本臨床救急医学会)。
研修には事前のe-learning形式を導入。受講者は事前にオンラインで講義を受けたうえ、当日に対面での多職種ワークショップに参加していただきました。
研修の対象は、精神保健福祉に従事する医師、看護師、精神保健福祉士、心理士、保健師などで、約50人が参加。8つのグループに分かれ、具体的な症例をテーマにディスカッションしました。

自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」とは?

自殺未遂は、自殺の最も重要なリスク因子の一つです。自殺を試みた人の多くは、精神疾患を抱えており、合理的な判断が困難な状態にあることが少なくありません。そのため、精神科医療に携わる専門家が自殺に対する認識を深め、協働して自殺未遂者支援を行い、適切なケアを行うことは自殺の再企図の防止につながります。
本研修では、初期対応から継続的な支援まで、臨床現場で役立つ自殺未遂者ケアのポイントを、日本精神科救急学会が作成したガイドラインに沿って体系的に学びます。さらに、モデル症例を用いた多職種ワークショップを通じてケアのあり方を実践的に習得することもねらいです。研修の講師とファシリテーターは、自殺未遂者ケアを実践している専門家・専門職が担当しています。
研修後のアンケートでは、

  • 講師の講義やコメンテーターの精神科救急の視点からの助言、精神力動的視点からの助言など、参加して学びが多かった
  • 自分が若いころは対応の是非を問う間もなく専門職に対応を依頼していたが、今は自分自身でも対応する機会が増え、多職種のチームでの自分の役割やすべきことについて学びなおすことができた

といったコメントをいただいています。
自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」は、毎年度1回開催しており、2025年度も開催予定です。

■JSCPが主催する各種「自殺未遂者ケア研修」(一般救急版、精神科救急版、かかりつけ医版)の概要、今後の開催予定、過去の開催内容についてはこちらのページをご参照ください。

■次回以降の研修のご案内を希望される場合は、自殺未遂者ケア研修案内メール登録フォームにご登録ください。次回申し込み開始時にご案内させていただきます。

本研修のプログラム(開催概要はこちら

【 事前eラーニング (講義動画視聴) 】

 講義1
「自殺行動の精神医学的理解と対応」

張 賢徳(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所所長、帝京大学医学部附属溝口病院精神科・客員教授)

講義2
「法等の整備と自殺未遂者への取り組み」

大橋史織(JSCP自殺総合対策部自殺未遂者支援室室長代理)

 

【対面研修プログラム (グループに分かれてのワークショップ)】

開会挨拶

清水康之 (JSCP代表理事)

杉山直也(一般社団法人日本精神科救急学会・理事長、公益財団法人復康会沼津中央病院・理事長/院長)

ワークショップオリエンテーション

大塚耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)

自殺未遂者対応ガイドラインの説明

杉山直也

ワークショップ

大塚耕太郎

須田 (横浜市立大学附属市民総合医療センター 精神医療センター・講師/診療部長)

ワークショップの成果発表とディスカッション

<司会>
大塚耕太郎
須田 顕

<コメンテーター>
平田豊明 (医療法人学而会木村病院・顧問、千葉県精神科医療センター・名誉病院長)

堀川公平(一般社団法人日本精神科救急学会・教育研修委員長、医療法人コミュノテ風と虹のぞえ総合心療病院・理事長/院長)

閉会挨拶

堀川公平