研修・会議
【開催レポート】令和6年度 自殺未遂者ケア研修「第1回 かかりつけ医版」
2024年8月30日
JSCPは2024年8月4日(日)、令和6年度 自殺未遂者ケア研修「第1回 かかりつけ医版」をオンラインで開催しました。本研修は、保険医療機関での業務に従事する医師、歯科医師を対象とし、全国から約200名が参加しました。本研修はこれまで終日開催のオンライン形式で実施してきましたが、今回からは多忙なかかりつけ医の先生方に参加していただきやすいよう、一部を事前e-learning形式の学習とし、オンラインでの対面受講を半日に凝縮して実施しました。
自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」とは?
自殺未遂は、自殺に関する最も重要なリスク因子です。そのため、患者と日常的に接するかかりつけ医等が患者の変化にいち早く気づき、必要に応じて精神科医・心療内科医と連携して適切なケアを提供することが、その後の自殺を防ぐために非常に大切です。
本研修は、かかりつけ医が「地域社会からの孤立の状況等により、精神疾患が増悪するおそれがあると認められるもの又は精神科若しくは心療内科を担当する医師による療養上の指導が必要であると判断されたもの」に適切に対応するためのスキル等を習得することを目的とした研修です。講師は、自殺対策の専門家及び自殺未遂者の包括的ケアを実践している専門家が務めます。
診療報酬「こころの連携指導料(Ⅰ)」の要件研修
令和 4 年度の診療報酬改定において新規項目化された「こころの連携指導料(Ⅰ)」の要件 研修の一つとして実施するものです。修了者には「こころの連携指導料(Ⅰ)」の要件研修修了証を発行しています。
本研修のプログラム(詳細はこちら)
<事前e-learning 合計約70分>
基礎講義1 | 「かかりつけ医等における精神疾患および自殺対策」 | 青木 藍(JSCP自殺未遂者支援室長) |
基礎講義2 | 「プライマリケア医の先生のための自殺予防の基礎知識」 | 河西 千秋(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授) |
基礎講義3 | 「ハイリスク精神疾患患者のケア」 | 大塚 耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授) |
e-learningはJSCPのe-learningシステムを用いて実施し、受講者はそれぞれ任意の時間にe-learningを受講しました。
<当日オンライン研修 13~17時>
開会あいさつ | 清水 康之(JSCP代表理事) |
講義ダイジェスト |
青木 藍(JSCP自殺未遂者支援室長) |
ワークショップオリエンテーション | 大塚 耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授) |
ワークショップPart1 | 司会: 河西 千秋(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授) 大塚 耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授) |
ワークショップPart2 | |
閉会挨拶 | 清水 康之(JSCP代表理事) |
理解度確認テスト | |
アンケート |
ワークショップは、Zoomの投票機能を用いて回答を収集し、結果を表示しながら進行しました。また、講義ダイジェスト、ワークショップを通じて受講者の質問を受け付けました。50件を超える質問が寄せられ、時間が許す限り講師から質問に回答しました。「このようなケースは希死念慮があると判断するか?」「緊急性が高いと感じるケースを精神科に紹介する際に、入院病床があるかどうかを検討するか?」などの質問に対して、実践的な回答が行われました。
自殺未遂者ケア研修「かかりつけ医版」は年2回開催しており、次回は2025年2月ごろに開催予定です。募集開始時のご案内をご希望の方は、こちらのメールフォームよりご登録ください。みなさまのご参加をお待ちしています。
■JSCPが主催する各種「自殺未遂者ケア研修」(一般救急版、精神科救急版、かかりつけ医版)の概要、今後の開催予定、過去の開催内容については、こちらのページをご参照ください。
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