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生活困窮者自立支援法の支援会議を活用した自殺対策の事例報告

JSCPは2月3日、「令和7年度生活困窮者自立支援法における支援会議を活用した自殺対策に係る事例収集報告書」を公開しました。

2025年6月に成立した改正自殺対策基本法では、近年、深刻な状況になっているこどもの自殺について、社会全体で対策に取り組んでいくことを明記しています。その一環として、自治体は、こどもの自殺対策を地域で総合的・効果的に進めるために、教育・保健福祉・医療・警察・民間などの関係機関が垣根を超えて参加する「協議会」を設置できることになりました(同法第4章(第23条~25条))。協議会では、こどもの自殺の防止のための対応、支援に向けた情報交換や協議を行いますが、自治体には実効性のある運用が期待されています。このたび公開した「支援会議」の活用事例報告書は、その参考として活用していただけるように作成したものです。

改正自殺対策基本法の「協議会」は今回、新たに設置されるものですが、すでに自治体には、児童福祉法の「要保護児童対策地域協議会」など、守秘義務規定や応答義務がある多分野連携の会議体があります。生活困窮者自立支援法(第9条)に基づく「支援会議」もその一つです。「自殺総合対策大綱」にも示されているとおり、自殺のリスクは、生活困窮や孤独・孤立、家族の問題など複数の要因が複雑に絡み合っています。特にこどもの事案では、本人へのケアに加え、保護者が抱える生活課題へのアプローチも不可欠です。生活困窮者自立支援法の支援会議では、そうしたさまざまな対応や支援を行っています。

そこで今回、自殺対策の「協議会」の運営をしていくうえでも参考となる「支援会議」の実践的な事例を調査し報告書としてとりまとめました。報告書は46ページで、「リストカット・過量服薬を繰り返す高校生を含む母子世帯への支援」「希死念慮を訴える長女と世帯への支援」など5つの事例(※)について、「相談経路」「相談概要」「支援会議に向けた準備・関係機関との調整状況」「参加機関」「情報共有の内容」「明確化された課題」「支援方針」「役割分担」「支援結果」「参加者の感想」などを説明。そのうえで共通するポイント(地域の関係機関が連携し、包括的な支援体制を構築するためのヒント)を掲載しています。また、支援会議に役立つツールについて、大阪市西淀川区にヒアリング調査し、「つながる場」などの具体的な取り組みとともに紹介しています。

これから体制整備を進めていく参考資料として、ぜひご活用ください。

令和7年度生活困窮者自立支援法における支援会議を活用した自殺対策に係る事例収集報告書


※事例収集した自治体名は公表していません。また、ケース内容については、個人情報保護のため一部改編を加えています。