啓発・提言等

WHO自殺報道ガイドライン 2023年版 日本語訳を公開Preventing suicide: a resource for media professionals update 2023

2024年3月27日

cover_PreventingSuicide2023_J_240314.pngJSCPは、世界保健機関(WHO)が2023年9月に公開したメディア関係者向けガイドライン『自殺予防を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識 2023年版』(Preventing suicide: a resource for media professionals Update 2023について、日本語訳を作成しました。


日本語訳のダウンロードはこちら



<2023年版の特徴>

  • 「するべきこと(Dos)」と「してはいけないこと(Don’ts)」をまとめた「クイック・レファレンスガイド」が更新され、「してはいけないこと」に、「遺書の詳細を報じない」「自殺の原因を単純化したり、一つの要因に決めつけたりしない」の2項目が追加されました。
  • 自殺を予防する報道の肯定的な影響を指す「パパゲーノ効果」に関する最新の研究についての記載が増え、メディア報道によるマイナスの影響だけでなく、希望をもたらすプラスの影響についても具体的な事例を引きながら言及しています。
  • インターネットメディア、ソーシャルメディアなどの新しいメディアに関する言及はまだ限られていますが、既存メディアで得られた知見を活かすことができると説明しています。

Dos / するべきこと Don'ts / してはいけないこと
  • 自殺を考えたり自殺の危機が高まったりしたときに、どこに、どのようにして助けを求めればよいか、正しい情報を提供する
  • 自殺や自殺予防に関して、正確な情報に基づいた事実を周知する
  • 生活の中でストレスを抱えたり、自殺を考えたりしたときの対処法や助けを求めることの大切さについて報道する
  • 有名人の自殺を報じる際には、特に注意を払う
  • 家族や友人などを自殺で亡くした方、自殺を考えたことがある方や自殺未遂をしたことがある方に取材をする際には、慎重に行う
  • 自殺について報道するときに、メディア関係者自身がその影響を受けてしまう可能性があると認識する
  • 自殺に関する内容をトップニュースとして扱ったり、報道を漫然と繰り返したりしない
  • 自殺の手段を描写しない
  • 場所に関する名称や詳細な情報を伝えない
  • 自殺をセンセーショナルに扱ったり、美化したり、よくある普通のこととして扱ったり、あるいは問題を解決する有効な方法のように紹介したりする言葉やコンテンツは使用しない
  • 自殺の原因を単純化したり、一つの要因に決めつけたりしない
  • 見出しにセンセーショナルな言葉を使わない
  • 自殺関連の写真、ビデオ映像、録音した音声、デジタルメディアやソーシャルメディアへのリンクを使用しない
  • 遺書の詳細を報じない

※ Preventing suicide: a resource for media professionals update 2023から翻訳/ジュネーブ: 世界保健機関(WHO); 2023
/ライセンス: CC BY-NC-SA 3.0 IGO/ WHOはこの翻訳の内容や正確性について責任を負わないものとする