研修・会議

【開催レポート】令和5年度 自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」

2023年11月27日

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(写真)グループワークでの発表の様子

JSCP20231029日(日)、令和5年度 自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」を都内で開催しました。本研修は、精神保健福祉に従事する医師、看護師、精神保健福祉士等を対象とし、約50名が参加しました。

コロナ禍の2020年に業務を開始したJSCPでは、これまで各種研修をオンラインで開催してきましたが、今回は初めて対面形式で開催しました。会場の熱気は高く、講師や参加者の間で活発な議論が交わされました。

自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」とは?

自殺未遂は、自殺に関する最も重要なリスク因子です。ほとんどの自殺は、精神疾患の影響で合理的な判断ができない状態で実行されています。そのため、精神科医療に携わる専門家が自殺に対する認識を深め、協働して自殺未遂者支援を行い、適切なケアを行うことは自殺の再企図の防止に繋がります。

本研修は、初期対応から継続的な支援まで、臨床現場で役立つ自殺未遂者ケアのポイントを、日本精神科救急学会が作成したガイドラインに沿って体系的に学ぶ内容です。さらに、モデル症例を用いた多職種ワークショップを通じてケアのあり方を実践的に習得することを目的としています。研修の講師とファシリテーターは、自殺未遂者ケアを実践している専門家・専門職が担当しています。

日本臨床救急医学会・日本精神科救急学会が共催

本研修は、JSCPが主催し、日本臨床救急医学会と日本精神科救急学会が共催団体となっています。

本研修のプログラム1017時、詳細はこちら

<午前>講義

開会挨拶 清水 康之(JSCP代表理事)
杉山 直也(一般社団法人日本精神科救急学会・理事長、公益財団法人復康会沼津中央病院・理事長/院長)
講義1 「自殺行動の精神医学的理解と対応」
張 賢徳(一般社団法人日本うつ病センター六番町メンタルクリニック・院長、帝京大学医学部附属溝口病院精神科・客員教授)
ワークショップ
オリエンテーション
大塚 耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)
自殺未遂者対応
ガイドラインの説明 
杉山 直也

<午後>小グループに分かれてのワークショップ

ワークショップ <司会>
大塚 耕太郎(岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授)
須田 顕(横浜市立大学附属市民総合医療センター 精神医療センター・講師/診療部長)
講義2 「法等の整備と自殺未遂者等への取り組み」
大内 衆衛(JSCP自殺未遂者支援室長)
ワークショップの成果発表とディスカッション <司会>
大塚 耕太郎
須田 顕
<コメンテーター>
平田 豊明(医療法人学而会木村病院・顧問、千葉県精神科医療センター・名誉病院長、静岡県立こころの医療センター・名誉院長)
堀川 公平(一般社団法人日本精神科救急学会・教育研修委員長、医療法人コミュノテ風と虹のぞえ総合心療病院・理事長/院長)
閉会挨拶 堀川 公平

研修終了後のアンケートでは、参加者から「多職種でのディスカッションが大変有意義だった」「対応するにあたって気をつけなくてはならないことが分かって良かった」などの声が寄せられました。

本研修は、毎年度1回開催しています。今後もより充実した内容の研修を行うべく、研修の企画運営に携わる方々と議論を続けてまいります。次回の自殺未遂者ケア研修「精神科救急版」は、2024年冬頃に開催を予定しています。

■JSCPが主催する各種「自殺未遂者ケア研修」(一般救急版、精神科救急版、かかりつけ医版)の概要、今後の開催予定、過去の開催内容については、こちらのページをご参照ください。