研修・会議
「令和3年度 自殺未遂者ケア研修(一般救急版)」 を開催しました
2022年2月17日
JSCPは令和4年1月8日(土)、救急医療に従事する医師、看護師、ソーシャルワーカー、心理士、保健師、救急救命士などを対象とした「令和3年度 自殺未遂者ケア研修(一般救急版)」をオンラインで開催しました。当初の定員(50名)を上回る参加申し込みがあり、約60名が参加しました。本研修は厚生労働省の補助金事業であり、日本臨床救急医学会と日本精神科救急学会との共催です。(チラシはこちら)
研修会の冒頭で、共催3団体の代表より挨拶がありました。
JSCP代表理事の清水康之は「昨年の自殺者数も2万人を超える見込みで、我が国の自殺は依然として深刻な状況にある。改善の鍵を握るのは自殺未遂者支援の強化だと考えており、関係者が一丸となって取り組む必要がある。両学会の共催に、感謝申し上げる」と述べました。
JSCP代表理事の清水康之
日本臨床救急医学会の三宅康史氏は「身体科救急に携わる皆さんがこの研修に集まったのは、自殺未遂者ケアが臨床の場で大きなウェイトを占めているということ。厚労省やJSCPが非常に力を入れている研修会であり、講師陣も充実している。長丁場だが頑張って受講していただきたい」と挨拶しました。
日本臨床救急医学会の三宅康史氏
日本精神科救急学会の河西千秋氏は「本研修会は平成20年度に始まった。きっかけは、同年度の診療報酬改定で、救急医療領域の加算で初めて自殺未遂者に関する項目が設定されたことだった。その後、自殺未遂者医療の方法論や診療報酬の枠組みが新しく開発・改定されてきており、今日は最新の情報を皆さんにお伝えしたいと」と述べました。
日本精神科救急学会の河西千秋氏
研修会は午前10時から午後5時まで行われました。午前は、河西氏(札幌医科大学医学部神経精神医学講座・主任教授)が「自殺未遂者支援・ケアに関する施策と医療の動向」、三宅氏(帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長・教授)が「一般救急医療における自殺未遂者等への対応」と題して講演するなど、5つの講義を行いました。
午後は、岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授の大塚耕太郎氏らの司会のもと、救急医療に従事する多職種が8つのグループに分かれてワークショップを行いました。ファシリテーターは、大学や医療機関で自殺未遂者ケアに取り組む各分野の専門家が務め、50代男性と20代女性の2症例について、それぞれの症例のアセスメントと対応、個別性に応じた支援、そして地域ケアのありかたについて充実したディスカッションが展開されました。
研修終了後に回収した参加者アンケートでは、「救急医療に関わる他の職種から話を聞けて参考になった」、「このような勉強会を多く企画してほしい」、「今後の診療に役立てていきたい」、などの声が寄せられました。
1月23日(日)には、精神科救急医療従事者を対象とした「令和3年度 自殺未遂者ケア研修(精神科救急版)」を開催しました。(詳細は、こちら)
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