研修・会議
「令和3年度 自殺未遂者ケア研修(精神科救急版)」 を開催しました
2022年2月17日
JSCPは令和4年1月23日(日)、精神科救急医療に従事する医師、看護師、ソーシャルワーカー、心理士などを対象とした「令和3年度 自殺未遂者ケア研修(精神科救急版)」をオンラインで開催し、約60名が参加しました。定員(50名)を大きく上回る申し込みをいただき、急遽参加者枠を最大限まで拡大して対応しました。本研修は厚生労働省の補助金事業であり、日本精神科救急学会と日本臨床救急医学会との共催です。(チラシはこちら)
研修会ではまず、共催団体の代表が挨拶しました。JSCP代表理事の清水康之は、「両学会に多大なるご協力をいただき、御礼申し上げる。先週公表された令和3年の自殺者数の速報値は2万830人で、前年比1・2%減となった。減少したとはいえ、1日平均約60人が自殺で亡くなり続けている現状があり、自殺未遂者支援を徹底して強化することが不可欠だ。皆様と一緒に本日の研修を有意義なものにしたい」と話しました。
JSCP代表理事の清水康之
続いて、日本精神科救急学会理事長の杉山直也氏が「本研修は、平成22年度の(同学会による共催)開始以来12回目の開催となる。取り組みの成果が上がってきているが、新型コロナウイルスという新たな課題と向きあい、今回研修では取り上げる症例をコロナ禍を反映したものに刷新した。また、今年改訂される新しい精神科救急医療ガイドラインを使用しており、明日からすぐ診療に使える研修内容になっている」と述べました。
日本精神科救急学会理事長の杉山直也氏
研修会は午前10時から午後5時まで行われ、午前中は、帝京大学医学部附属溝口病院精神科・客員教授の張賢徳氏が「自殺行動の精神医学的理解と対応」と題して講演し、杉山氏から「自殺未遂者対応ガイドライン」についての説明等がありました。
午後は、岩手医科大学医学部神経精神科学講座・教授の大塚耕太郎氏らの司会のもと、参加者が9グループに分かれて多職種でのワークショップを行いました。大学や医療機関などで自殺未遂者ケアに携わる各分野の専門家がファシリテーターを務め、40代男性と女子高校生の2症例について、精神科救急でのトリアージから治療方針の決定と初期対応、そして対応の振返りとケースマネジメントの各段階における対応のポイントを学び、サポート体制の検討を含め、活発な意見交換が行われました。
参加者アンケートの集計結果によると、参加者の約75%が自殺未遂者ケアに携わっており、その多くが自殺念慮、自傷行為、自殺企図行動などへの対応の際に「知識や技術が十分でない」ことにストレスを感じたことがありました。こうした声からも自殺未遂者ケアに関する研修会への需要の高まりを感じており、令和4年度以降はさらに多くの方に受講していただけるような対応を検討して参ります。
1月8日(土)には、「令和3年度 自殺未遂者ケア研修(一般救急版)」を開催しました。(詳細はこちら)
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