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2022年9月10日9月10日~16日は「自殺予防週間」 いのちを守る一歩を

Yahoo!ニュース個人で2022年9月10日に公開した記事を転載しています。

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9月10日は、「世界自殺予防デー」(World Suicide Prevention Day)です。
そして、その日からの1週間(9月10日~16日)は、日本では「自殺予防週間」であり、自殺予防に関する様々な啓発活動などが集中的に展開されます。

「世界自殺予防デー」とは

2003年に世界保健機関(WHO)と国際自殺予防学会(IASP)が共同で開催した世界自殺防止会議(スウェーデン・ストックホルム)の初日を最初の世界自殺予防デーとして、世界的に自殺対策に取り組む責任があると決意表明(宣言)された日です。以降、国の機関や一般の人々に対し、自殺対策の重要性に対する認識を高めるため、毎年活動が続けられています。


世界自殺予防デーは年々その活動が拡大しており、最近では、60か国以上で自殺対策の啓発を目的としたキャンペーンが行われています。

「自殺予防週間」とは

日本では、自殺対策基本法(2006年施行)に基づき策定された最初の自殺総合対策大綱で、世界自殺予防デーからの1週間を自殺予防週間とすることが定められました。
その後、2016年に自殺対策基本法が改正された際、例年、月別自殺者数の最も多い3月を「自殺対策強化月間」と定めました。毎年、自殺予防週間と自殺対策強化月間に合わせ、多くのメディアが自殺対策に関する啓発を行ったり、全国の自治体や民間団体等が相談事業を実施したりしています。


世界では、全死亡者の100人に1人(2019年データ)は自殺で亡くなっており、自殺は公衆衛生上の重要な課題です。
国際自殺予防学会(IASP)が2020年に作成した動画「Step Closer」は、IASPによると世界中で3000万回以上視聴されています。
筆者が所属する一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」(JSCP)は、2022年の世界自殺予防デーに合わせ、この動画の日本語版(字幕)「いのちを守る一歩を」をIASP公認で作成し、公開しています。

IASPは、2022年の世界自殺予防デーに先駆け、2021年に引き続き、「アクションを通じて希望を生み出す(Creating Hope Through Action)」という標語を掲げています。
自殺の多くは予防が可能であり、私たちのちょっとした行動でその一助を担うことができるかもしれません。
この標語には、自殺防止のために、人々に行動を起こしてほしいという願いが込められており、その具体的な「行動」として、「互いに支え合う時間にしよう(Take Time to Reach Out)」と呼びかけています。


JSCPは、IASP作成のポスター「Take Time to Reach Out」の日本語版、「互いに支え合う時間にしよう」も作成しました。
(IASP公認)

ポスターには、次のように書かれています。

IASP_TimeToReachOut.png

少し立ち止まり、周囲の人にそっと手を差し伸べてみよう。

家族、友人、同僚、あるいは見知らぬ人にでも。

その小さな行動が、誰かの人生を支えることになるかもしれません。

あなたが気にかけているとそっと伝えることで、その人に希望を与える手助けができます。

どんなに小さな事であっても、私たち誰もが役割を担うことができるのです。私たちの行動がもたらす可能性は計り知れません。

私たちは皆、手を差しのべ、そして話を聞くことができます。何をすべきか、必ずしも解決策を示す必要はないのです。

誰かの苦痛や自殺念慮について、じっくりと耳を傾ける時間と場所を作るだけでも助けになります。

世間話をするだけでも、誰かの命を守り、苦しんでいる人につながりと希望をもたらすことができるのです。


9月10日から16日の1週間を、私たちの小さな行動が誰かの人生にもたらす可能性について思いを巡らせ、「いのちを守る一歩」のきっかけにしてみませんか。

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